今週のお姉ちゃんチェック
弟のことを愛しすぎてしまったお姉ちゃん、
お隣に住んでいた頼れる幼なじみ姉貴、
一回り年上で母親的な叔母...いやお姉さん。
そんな姉ばかりに囲まれる「姉弟溺愛型アドベンチャー」。
気まぐれに体験版をダウンロードして、久々にプレイまでしてしまったところ、これが実に大当たりで、その感想を綴りながらの紹介。
主人公は、身体がそんなに丈夫ではないことを除けば、普通の男子。
彼には、心から敬愛するお姉ちゃんがいました。
その名は琴音お姉ちゃん(CV:葉村夏緒)。
琴姉は、「基本的に」優等生タイプ。もちろんブラコン。超ブラコン。
どのくらいブラコンかというと、弟のことを愛しすぎてしまった自分が不安になり、弟と距離を置こうと思い立っても我慢が続かず、深夜弟の部屋に侵入して匂いを嗅いで興奮するあまり寝ている弟の上に恥ずかしい姿でまたがっちゃうくらいのブラコン。
まあ、こんなのは一例にしか過ぎません。あとは見てのお楽しみで。
体験版では、かなりの長さをプレイできます。
寸止めどころかサービス過剰です。普通の同人ゲーム一本くらいのボリューム。
姉弟の幼い頃から現在に至るまで、丁寧に過程を追っています。
「昔、こんなことがありました」どころではないのです。
まだ小さい頃、幼いが故に姉に反発し、邪魔者扱いして、お姉ちゃんを泣かせることもあった主人公が、あることをきっかけに姉を理解し、姉も一層姉らしくなる様子が、十分な時間をかけて描かれています。
「このお姉ちゃんはブラコンです」と言うのは誰でもできる。
しかし、なぜそうなったかを説得的に言うために、姉弟の歴史を用意するのはなかなか面倒で難しい。
これがきちんとできている点で、一歩抜きん出ています。
で、この幼少期や、それに続く二人の成長過程が、読んでいてとてもおもしろい。
姉好き以外は読んでも退屈なんじゃないかと思われる、姉好き向けのストーリー。
姉弟で一緒にお風呂に入っていることをからかわれて(もちろん主人公は「え、そうなの?」的な反応)、今日で一緒のお風呂は最後にすると宣言し、ちょっと寂しそうなお姉ちゃんの反応とか、シスコン以外には理解されにくいこの味わい。
(この間、ちっちゃいお姉ちゃんの一糸まとわぬ姿が続くのですが、これを児ポだ何だと抜かす奴がいたら弟パンチをお見舞いする!)
姉弟二人は、楽しいこと、つらいことを経験して大きくなっていきます。
甘いだけでなく、しんみりとしたシーンも挟まれ、深みがあります。(途中で明かされる姉弟の秘密も...)
弟もお年頃となり、異性への興味は当たり前のように最愛の姉に向けられるわけで。
世間の弟たちのご多分に漏れず、姉を感じる物で自らを慰めます。
...お姉ちゃんも負けていませんけどね!
このタイプのお姉ちゃんは、今年の流行り?
そして、いよいよ二人の姉弟愛を確かめ合う時。
(「この先は製品版でね」なんてことを言い出さないのがすごい)
二人の前に倫理の壁が立ちふさがりますが、お姉ちゃんも弟も、ちゃんと覚悟を決め、自信を持って踏み越えます。
逃げずに背徳感を描くこのスタイルも気に入りました。
体験版全体を通して、姉弟関係の変化がテーマとなっている良い姉ゲーです。
姉弟の第二の母親的な立場を持つ叔母の綾香姉さんが、まだ子どもの姉弟に向けて伝える言葉。
「夫婦と姉弟だったら、姉弟の絆の方が上だよ。分かんないかもしれないけど」
「夫婦は他人になれるけど、姉弟は永遠に姉弟のまま。そう言ったら分かる?」
聞きましたか?
姉弟以外のルートを否定するようなこのセリフ。
姉萌え以外お断り、の意気込みが伝わるようじゃないですか!
最初から最後まで、姉たっぷりの体験版でした。
とあるゲームのパロディ的なタイトル名や、「実用先行なのか?」と感じる公式サイトのノリで、正直そんなに期待していなかっただけに、良い方向に裏切られました。
姉属性向けに特化した姉ゲーと評して良いと思われます。
まずはボリュームのあるお姉ちゃんのおっぱい...じゃなくて、体験版をプレイしてみることをお薦めします。
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11月19日は『Kiss×sis(キスシス)』第5巻の発売日~。
確か、来週はヤンマガの掲載号だったような気もします。
2009年12月9日新創刊・月刊ヤングマガジンに移籍するとの話も聞きました。
ぢたま先生、応援してますよっ!
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姉コミックといえば忘れてはいけない、コミックメガストア1月号に音音先生の姉コミック「姉の背中を見て育つ?」掲載を確認!
そういえば、そろそろ音音先生の新しい単行本が出ても良さそうなストックがたまってきたと思うのですが、どうなんでしょう?