2004年11月22日

簡単に『ままらぶ』レビューなどを

最近の全姉連、Web上ではレビューがほとんど無い、という耳に痛い反省を踏まえて、
ようやくコンプリートした『ままらぶ』(HERMIT)について簡単に。
(一部冬コミの会報で使い回すかも。ご了承を。)

「一つ屋根の下愛情たっぷりAVG」は良く言い得たジャンルでありまして、
マンションの同じ階に住む住人全体で1つの疑似家族構成があり、お互いがお互いに
愛情を持ってくっついたり離れたり、そんな笑いと涙の家族ドラマが見られるのです。

登場キャラクターは全員が全員、非常によく立っていて、その証拠に
主人公抜きの場面であっても、いくらでも話が進む。
この感覚は、「姉しよ」の茶の間のシーンに通ずるものがあります。

ストーリーの進行は、テレビの家族ドラマを模した、平均30分前後の話数話からなり、
演出はアメリカンドラマのそれ。
これって外すと滅茶苦茶寒いのに、造作もなくクリアしていて、しかも楽しい。
hermitのゲームは初めてのプレイだったんですが、相当手練れの集団ですね?

個別に見ると、まず何と言っても“妖怪並みの年齢不詳ママ”涼子さん。
涼子ママはお隣の部屋に住む(と言ってもこの世界、壁のない長屋生活も同然で、
お隣といった概念が非常に希薄なのですが)育ての母でありまして、生みの母ではない分、
ほどよい距離感、そして「育ててきた」「育てられてきた」意識が表面によく
出てきています。

涼子「お隣の子だなんて全然思ってなかった。
思えるわけなかった。
ずっと自分の子だった…」

そして、涼子さんの娘の小雪ちゃんは、強烈にツンデレ。しかも健気なツンデレ。
『ままらぶ』に限っては、小雪ちゃんに転んでも破門免除。
涼子編も小雪編も、女の修羅場が見所。
修羅場言っても、切なく温かい修羅場ですが。

かおり姉さんは、本気かどうかよく分からない誘惑を仕掛けてくる、青少年にとって
最も有害な姉タイプ。
性格的にはがさつ姉で、「はだワイ」(裸ワイシャツ)風の立ち絵がそれを物語る。
弟からのアプローチを巧みにいなし、逆にちくちく突き返される始末。
終盤の展開は見事。これはこれでなかなか。

ヒロインはあと2人居ますが、略。ゴメンナサイ。
それより、実の父・桜木昭ダディの方がナイスガイ過ぎて素敵。
男キャラなのに非常に存在感があって、憎めないオヤジ。惚れそう。

…と、『ままらぶ』はママだけでなく、姉も妹も幼馴染みも押しかけ妻も、
全員にしっかり立つ位置が与えられた、全方位家族ゲーと言うのが正解かも。
笑いも涙も萌えも綺麗に盛りつけられた、優しい読後感になれるゲームなので、
全姉連としてもお勧めの1本としておきます。

『全ママ連』も立ち上げられることだし、一気にママ属性づいてしまった場合、
『フォーチュンクッキー』がよろしい感じだそうです。
YU-SHOWさんによるレビュー(翌日の日記も要参照)


余談。
何となく見覚えあるような背景や、名古屋ネタが散見されるな…と思ったら、
名古屋のメーカーじゃないですか。(しかも、昔通ったことのある塾の隣だ)
恐ろしくローカルなネタが出てもスルーだし。
どっきんどっきんどっちかな」とか「西枇杷島ラブストーリー」とか。
公園の背景は鶴舞公園ですね。