2010年11月 9日

今週のお姉ちゃんチェック

まさか"伊集院光『のはなしさん』amazon.co.jp(なか見!検索あり)"の中に妹萌え・姉萌えの話が出てくるとは思いも寄らず。

この本、伊集院さんのエッセイ集なんですが、その中の『「萌え」の話』から一部引用。

「萌え」なんて言葉はなかったあの頃「二、三歳年上の姉貴がいたら...」という友人に「そんなものは幻想にすぎないと断言していた僕。こっちは物心ついた頃から確信を持っていた。なぜなら二歳年上の姉がいたから。萌えようがない、僕を一回り小さくしたような、とても凶暴な奴が。僕は女性を殴るような男ではないが、この姉貴にだけは何度も回し蹴りを浴びせている。そしてその1.5倍くらいの回数、飛び膝蹴りを貰っている。ガサツでブサイクなアイツは、なぜか僕が生まれたとき既に家にいた。だから「姉=いいもの」でないことをいやってほど知っている。

氏のラジオを聴き続けて20年余り。
トークにたびたび登場する伊集院姉弟の相性の悪さはファンにとって有名な話なのですが、姉萌え・妹萌えと絡めて面白く書かれています。
そうだよなぁ、彼とほとんど同じ遺伝子で構成された姉だからなぁ......
よそのお家の姉弟はいつも羨ましく思う小弟ですが、この姉弟だけはもう羨ましく思うことはなかったり。
話のオチも面白いことになってます。特にリアル姉持ちは読んでみるといいよ!



『@HOME 我が家の姉は暴君です。』(著者・藤原 祐/イラスト・山根真人電撃文庫

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先週のチェック漏れ。
ライトノベル方面の情報には疎いので、いつもタレコミが頼りです。
先週末、とある飲み会の場で直接教えてもらった姉ノベル『@HOME 我が家の姉は暴君です。』。
「姉」と「暴君」の取り合わせにワクワクしてしまう類の人間には、タイトル名だけでふわふわっと妄想が立ちのぼります。

 とある事情から親類の『倉須家』に引き取られることになった僕。だけどそこは、血の繋がらない七人のきょうだいたちが住むという妙な家だった──諧謔的な長男、おっとり&投げやりな長女、暴君の次女、スキンシップ過剰な三女、男か女かわからない三男、カメラを手放さない四女に、そして次男の僕。ともあれ新しい生活は割と順調である......次女のリリィが何故かやたらと僕にキツく当たってくる以外は。  電撃文庫MAGAZINEに連載され人気を博した、ちょっと風変わりなハートウォーミング(?)ストーリー、開幕!


タレコミやWeb情報を総合すると、訳ありの寄せ集めきょうだいが住む家に引き取られた主人公の物語で、「暴君の姉」から連想するドタバタコメディではなく、家族の絆をテーマに据えた家族ドラマだとか。
血の繋がった家族ではない他人同士の生活を通して、家族とは何ぞやを問う作品の様子。
お姉ちゃんについても、読み応えがあるそうですよ?



『お姉ちゃんが食べちゃうぞ がお!』(著者・田沼 淳一/イラスト・しぐにゃん/フランス書院美少女文庫)

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今月のフランス書院美少女文庫・姉部門作品。
お姉ちゃんにはなされるがままの受け身系な諸弟は、タイトル名だけで方向性が掴めるはず。
『お兄ちゃんが食べちゃうぞ』だったりすると「うるせーよ!」で終わっちゃうのに、『お姉ちゃんが食べちゃうぞ』だとどうしてこんなに夢が膨らむのかっ!?

今回の主人公は、中3の男の子涼太。
姉ヒロインは、一つ年上の麻衣お姉ちゃん。
親の再婚で姉弟なりたてほやほやの二人がイチャイチャウフフらめぇぇぇ...するお話。

「らめぇぇぇ」の部分は、"りょうたん"こと涼太の喘ぎ声です。
りょうたんは小柄な体型で、女の子と見まがうほどの愛らしい容姿の持ち主。
硬派な男になりたいとの願いも空しく第二次性徴は訪れず、その可愛らしさに麻衣お姉ちゃんは今日も夢中になってしまいます。
彼女は、その丁寧な言葉遣いから性格がにじむ、基本的には優等生の女の子...なんですが、スイッチが入るとりょうたんのことを可愛がりすぎてしまう可哀想な子になってしまいます。

タイトル名の「食べちゃうぞ」は、飢えた肉食獣姉が小動物弟を狩るイメージではなく、甘い物好きの女の子がチョコバナナをパクッとくわえちゃうような、そんなイメージ。

「うぅ......りょうたんかわいいよぉ......たぁべちゃぁうぞぉ~~~」
ちろりと舌を出して、GAO!!
ぬるるるるるるるるるんと呑みこんでいった。
「ああっ、きっ、きついよお姉ちゃんっ、いつもよりぬるぬるなのにっ、いつもより、きつよぅっ!!」

「りょうたんかわいいよぉ! たべちゃうぞ、GAO!→お姉ちゃんらめぇぇぇ...」
これが本書の黄金パターン。
弟、なされるがままです。
見た目が女の子っぽいだけでなく、中身も女の子っぽいので、

「ああっ!! らめぇえええええッ!! そ、そんなふうにされたら、ほんとに、が、がっ、我慢が......んんっ」

これでも弟のセリフなのです。

前半でたっぷりお姉ちゃんに食べられた後、後半ではお姉ちゃんの所属するチア部の補欠要員として女装して入部するお話。
チア衣装を着せられ、ロッカー室で個人レッスンを受けながら、表舞台に...。

全体的に、か弱くて可愛らしい弟にお姉ちゃんが夢中になっちゃう様子を楽しむ作品です。
いわゆる「おねショタ」好きなら狂喜乱舞。
加えて、お姉ちゃんに女装させられ、そのまま電車に乗って以下略的な展開が大好物な弟ならば、迷うことなどどこにもありません。
重心は以上のような部分にあるので、背徳感はもとより、家族愛・姉弟愛要素は薄めです。

食欲の秋。
お腹を空かせたお姉ちゃんのため、その身を悦んで捧げる奉仕精神溢れた弟なら読みたい1冊。